皆様どうお過ごしでしょうか?
今回は旧盆という事もありますので、この季節にピッタリな
実際にあった、不思議なお話をご紹介したいと思います。

『不思議なお話・・・天井裏に誰かいる。』
この話は会社の先輩Tさんから聞いた話です。
今から5~6年前、先輩Hさんが勤務中にある方から現場調査の
依頼をうけて、本島南部のある住宅を訪れた時の話です。
リフォーム屋さんで現場調査というと、住宅の不具合がある個所を
点検・診断などを行い、お客様に現状を報告し対処方法を提示して
お見積書を作成する為の下調べと言っていいでしょう。
ただ、今回の現場調査の内容がいつもとちょっと違うのは
天井裏から聞こえる、物音の原因を調べてくれないかとの事。
先輩Hさんは、その住宅に向かう車上で色々と物音がする原因を
何通りか想定していました。
天井裏には二階建ての住宅の場合、二階部の水道管・排水管
電気配線などに関係する多数の設備があるので
その設備が不具合を起こして、音が発生しているのかな~?
それとも、ネズミなどの生物が天井裏で生息して
ガサゴソ・ガサゴソと動き回っている音なのか?
いずれにせよ、点検すれば音の原因を解明できると思っていたそうです。
現場調査する物件の住宅に到着すると、さっそく家主さんと
物音のする天井がある部屋へと向かうと、二階建て住宅の
二階にある寝室でした。
先輩Hさんは、家主さんに物音に関する聞き取りから始めました。
先輩H 『この住宅に住んでいる方は何人いますか?』
家主 『ここで生活しているのは、私ひとりです。』
先輩H 『物音が聞こえるのは、この寝室だけですか?』
家主 『始めの頃はこの部屋だけでしたが、だんだんと広がっています。』
先輩H 『いつ頃から物音は聞こえていましたか?』
家主 『う~ん、ちょうど親父の一周忌が終わった頃からですから
ちょうど半年くらいになるかね~。』
先輩H『どんな物音がするんですか?』
家主 『ババン!バン! バンバン! 何って言ったらいいのか、
天井裏から誰かが天井を叩いているような感じですか・・』
先輩H 『それであれば、けっこうな騒音ですね~。』
先輩H 『物音が聞こえる時間帯はどんなですか?』
家主 『始めの頃は夜だけだったんですが、今では日中でも聞こえるし
聞こえる場所も広がっているんですよ!』
その時、天井から バンバンバン!
誰かが天井裏から、天井を叩いているような物音が鳴り響いた。
家主 『なあ!聞こえたよね?聞こえただろ?』
先輩H 『はぁあ~、聞こえましたね。』

家主 『だから私は正直、怖くて今では一階の玄関側の
畳間で寝ているんだよ。二階にはあまり上がらなくなったよ~。』
もうこの時すでに怖いのが苦手な先輩Hさんは、家主さんの一言。
『う~ん、ちょうど親父の一周忌が終わった頃からですから
ちょうど半年くらいになるかね~。』が気になり始めていた。
先輩H 『わかりました、少し調べてみましょうね。』
家主 『お願いします。』
先輩Hさんは、最初に天井裏を点検する為に設置されている
点検口を探す為に、二階の各部屋を回ってみたのですが
一ヶ所も点検口が設置されておらず、天井裏を確認できない。
その間も、天井からバン!バン!と、はっきりと物音が聞こえる。
その都度、家主さんとアイコンタクトをとる先輩H。


先輩H 『今日は天井裏を確認できないので、後日点検口を設置して
天井裏を確認したいのですがよろしいでしょうか?
その時は、複数でお伺いします。』
家主 『わかりました、気味が悪いのでなるべく早くお願いします。』
その日、先輩Hさんは会社に戻り先輩Tさんに事情を話して
次回は先輩Hさん、先輩Tさんと職人Kさんの3名で行く事になりました。
その当日、3名でお伺いして先輩Hさんと家主さんから事情を聞きこみ
先輩Tさんと職人Kさんは、天井に点検口を設置する場所を決めて
点検口設置の作業準備にとりかかりました。
先輩Hはここで、別件が有るとの事で退席しました。
先輩Tさん、曰く逃げやがった!感が漂っていたそうです。(笑)
とりあえず、先輩Tさんは物音の原因を探すために外部へまわり
外壁・屋上を点検して回り、職人Kさんは天井裏を確認する為の
点検口を取り付ける準備を進めました。
その間も家主さんは、先輩Tさんへ
家主 『あの物音は何の音かね~、だんだんひどくなってるさ~
そろそろ、あなたたちにも聞こえるよ!Hさんも私と一緒に
聞いているんだからさぁ~。』
先輩T 『そうですね、そんな大きな物音が天井裏から聞こえるのであれば
天井を開ければ原因もわかると思いますよ~。』
家主 『おかしいね~、今日はまだ聞こえないね~
あなたたち、もう少し天井あけるのを待ってみなさい
すぐ聞こえるから』
先輩T 『わかりました、それであればこの部屋で職人Kと
少し待機していましょうね~。』
先輩Tさんと職人Kさんは、どういった物音がするのか確認する為
家主さんに促されるまま、少しの間この部屋で待機することにしました。
待機している間も家主さんは、物音の原因について先輩Tさんに
『本当に誰かが天井裏に入り込んで、天井をバンバン叩いているとしか
思えない、そんな物音が一日中聞こえるんだよ?
こんな事ってあるかね~! だぁ、何で今日は聞こえないかね~』
『あんたが来たから聞こえなくなったんじゃないかね~。』
『おかしいね~、あんたが来たから聞こえなくなったんだよ!』と
話していたそうです。
となりで会話を聞いていた職人Kさんは、はぁ?今から天井あけるのに
誰かが天井裏にいる?しかも天井あけるの自分だよな?
あけた瞬間、マジで誰かいて目があったらどうするば~?
怖いんですけど・・・



怖がりの職人Kさんは、本気でビビっていたそうです。
1時間ほど待機していたそうですが、その間物音は1回も聞こえなかったので
先輩T 『物音も確認できないので、そろそろ天井をあけましょう!
その方が間違いないと思います。』
家主 『あんたが来てから音も聞こえなくなったし、わかりましたお願いします。』
職人K 『(心の声)マジであけるば~ 音もしなくなってるんだったら
あけなくてもいいんじゃないか~。』
職人Kさんの願いも虚しく・・・先輩Tさんからの一言。
先輩T 『よし!あけよう、手ノコで天井材をカットよろしく!』
職人K 『了解! カットはするけど天井裏の最初の確認よろしくお願いします。』
先輩T 『はぁあ! 本気? 怖いのかぁ~』
先輩T 『いいよ自分が確認するよ、もう切ったかぁ~』
職人K 『はい。』
天井材のカットも終わり、後は剥がし取るだけ
先輩Tさんが、勢いよく天井材を剥がすと・・・
先輩T 『・・・・』
家主 『・・・・』
職人K 『・・・・』
少しの間、沈黙状態。
なんと!まさかの直張り天井!
直張り天井とは? 建物躯体に、木資材で骨組みを直接固定し
固定した骨組みに天井材を張りつける工法。
ようするに天井裏が木資材の厚み分、約15センチ程度しか無い。
人間どころか、ネズミでも骨組みが邪魔で動き回るスペースは無いでしょう。
バンバンバン!の展開に考え込む、先輩Tさん、職人Kさん、家主さん。
家主 『いや、間違いなく誰かが天井裏から叩く音は毎日聞こえるんだよ!』
先輩T 『家主さん、天井裏はこのような状態なので・・・』
職人K 『とりあえず、点検口を付けときますので・・・』
先輩T 『しばらく、様子を見て頂いて何かあれば担当のHまで
ご連絡お願いします。』
家主 『わかりました、でも毎日聞こえるんだよ! でも
あんたが来たから音もしなくなったんだはずよ?』
その場を後にした先輩Tさんは、会社にもどり先輩Hさんに
事の顛末を報告して、念のため物音を本当に聞いたのか再確認すると
先輩H 『現場調査中、家主さんと何回も誰かが天井を叩くような音を
何回もはっきり聞いたよ、それが天井裏には何も原因らしき物も
なかったのか? おかしいなぁ!』と言っていたそうです。
あれから、5~6年の月日がたちますが、家主さんからは何の連絡もなく
あの音の正体もわからないそうです。
ある時、T先輩にあの音の正体はなんだと思いますか?と聞いたところ
先輩T 『何でも無いんじゃないの、リフォーム屋を長年やっていると
不思議な事が多すぎて、この物音程度の話はいくらでもあるよ
あなたもそのうち、わかってくるから頑張って!』
リフォーム屋さんって・・・ こういう仕事だったのか・・・
奥が深いんだなリフォーム屋さん! 恐るべし!(^o^)(笑)


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